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SRP OOP ドンクベット 戦略
— 4スポット完全比較ガイド —

MTT General ICM 9m200 / PTpct50 / SRP シングルレイズドポット / OOP ドンク
スポット:BB/SB ドンク vs BTN/LJ
アクション:OOP 側がフロップを最初にベット(ドンク)
深度:40 / 35 / 30 / 25 / 20BB
ボード:99 ボード × 5 深度 × 4 スポット

目次

  1. このアクションの概要 — ドンクとは何か、4スポットの位置づけ
  2. 4スポット比較表 — 全体ドンク率の横並び比較
  3. BB ドンク詳細 — vs BTN と vs LJ の比較
  4. SB ドンク詳細 — vs BTN と vs LJ の比較
  5. 深度別変化パターン — Low Connected vs 高ボードの逆転
  6. IP 側のカウンター示唆 — ドンクが来たら何を意味するか
  7. 意思決定フロー — BB/SB それぞれの実戦判断

1このアクションの概要 — ドンクとは何か

ドンクベットとは: プリフロップ AC(アグレッサー)は IP 側(BTN や LJ)であり、本来はフロップの主導権を持つ。にもかかわらず、OOP 側(BB や SB)が チェックせずに最初にベットする行為がドンクベット。標準セオリーでは「ドンクは弱い」とされるが、GTO ではレンジ・ポジション・ボードによって頻度が大きく異なる。
最重要テーゼ:BB ドンク vs SB ドンクは別物
BB は常に 3〜4%前後しかドンクしない(超選択的)。主役は Low Connected ボードのみ。
SB vs BTN は 平均20%以上(BB の5〜7倍!)。高ボード・広範囲のカテゴリでドンクが発火。
「SB ドンクは別の戦略武器」と理解することが第一歩。

4スポットの基本構造

BB ドンク(2スポット)
BB vs BTN / BB vs LJ
3〜5%
超選択的。Low Connected ボード(765r, 654r など)にほぼ限定。
浅くなると頻度はさらに下がる傾向。
IP のレンジ幅(BTN > LJ)の影響で vs LJ の方がやや高め。
SB ドンク(2スポット)
SB vs BTN / SB vs LJ
8〜23%
SB vs BTN は全深度平均20%超の高頻度ドンク。
SB vs LJ は 7〜10%(中間的)。深度によって主役ボードが逆転。
SB は BB より OOP 度が強く、セオリーを破るドンクが多い。
なぜ SB は BB よりドンクが多いのか?
SB の IP コールはさらに不利なポジション(BTN がいつも後ろ)。 SB のレンジはしばしば BB より弱く、チェックしてしまうとチェックレイズ機会も限られる。 その結果、ドンクによって IP の CB を止め、ポット成長を制御する戦略的価値が BB より高くなる。

24スポット比較表 — 全体ドンク率

全体平均ドンク率(5深度)

スポット 40BB 35BB 30BB 25BB 20BB 特徴
BB Donk vs BTN 3.5% 3.1% 3.6% 2.5% 3.1% 超低頻度
BB Donk vs LJ 4.5% 4.6% 4.6% 2.4% 2.6% 低頻度
SB Donk vs LJ 7.6% 7.6% 7.7% 5.4% 9.6% 中頻度
SB Donk vs BTN 20.1% 16.7% 18.8% 21.6% 23.3% 高頻度

≥5% ドンクボード数(全 99 ボード中)

スポット 40BB 35BB 30BB 25BB 20BB
BB Donk vs BTN 14枚 13枚 14枚 11枚 12枚
BB Donk vs LJ 11枚 10枚 10枚 13枚 17枚
SB Donk vs LJ 22枚 23枚 24枚 27枚 35枚
SB Donk vs BTN 70枚 62枚 64枚 62枚 59枚
SB vs BTN の圧倒性: 99ボード中70枚(40BB時点)で5%以上ドンク。 対して BB は14枚のみ。SB vs BTN のドンクは「全ボードにほぼ存在する」ストラテジーであることが数字に現れている。

3BB ドンク詳細 — Low Connected 専門の構造

BB ドンクの本質: Low Connected ボードにほぼ特化した超選択的アクション。 「ドンクしないのがデフォルト」であり、低い連結系ボードでだけ例外的に発動するイメージ。
BB Donk vs BTN — カテゴリ別(40BB)
Low_Conn(765r等)
33%
Low_Mono_Conn
24%
Low_Mid_Paired
6%
High_Paired
2%
その他(全カテゴリ)
<5%
BB Donk vs LJ — カテゴリ別(40BB)
Low_Conn(765r等)
61%
Low_Mono_Conn
16%
Low_Mid_Paired
6%
High_Paired
2%
その他(全カテゴリ)
<5%
vs BTN と vs LJ の最大の違い:Low_Conn 頻度
vs BTN では 33%、vs LJ では 61%! 同じ Low Connected ボードでも LJ のレンジが弱いため、BB のレンジアドバンテージが強く出る。 LJ はタイトレンジ(約22〜23%)なので低連結ボードはフィットしにくく、BB がドンクで積極的にポットを主張できる。

深度別変化(Low_Conn と Low_Mono_Conn)

カテゴリ 40BB 35BB 30BB 25BB 20BB トレンド
BB vs BTN — Low_Conn 33% 31% 37% 25% 33% 微減→横ばい
BB vs BTN — Low_Mono_Conn 24% 21% 23% 2% 1% 浅くなると消滅!
BB vs LJ — Low_Conn 61% 61% 60% 28% 29% 25BBで急減
BB vs LJ — Low_Mono_Conn 16% 22% 29% 1% 0% 浅くなると消滅!
Low_Mono_Conn が消える理由: モノトーン低連結ボード(e.g. 7♠6♠5♠)は深いスタックではドンクでセミブラフが有効。 しかしスタックが浅くなると「コールもしくはオールインしかない」状況でドンクのブラフ効果が薄れる。 25BB以下では Mono_Conn ドンクはほぼゼロ。

Top ドンクボード(20BB時点)

BB vs BTN(20BB)
7s6h5c
52%
Low Conn
6s5h4c
46%
Low Conn
8s7h6c
34%
Low Conn
8h7h3c
23%
Mixed
Kh3d3c
22%
Paired
Ks3s3h
21%
Paired
BB vs LJ(20BB)
6s5h4c
49%
Low Conn
7s6h5c
33%
Low Conn
8s7h6c
28%
Low Conn
5s4h3c
25%
Low Conn
9s8h7c
15%
Low-Mid

4SB ドンク詳細 — 高ボードドンクの驚異

SB vs BTN:全ボードにドンクが広がる驚異的な頻度
40BBで全99枚中70枚以上(>70%!)が5%以上のドンク率。 このスポットは「特定ボードにだけドンク」ではなく、ほぼ全ボードタイプに分散したドンク戦略が存在する。

SB vs BTN — カテゴリ別ドンク率(全5深度)

カテゴリ(ボード数)
40BB
35BB
30BB
25BB
20BB
King_High(7枚)
KQ2r, KT4r等
30%
26%
37%
40%
68%🔥
High_Paired(25枚)
AA2, KK3等
25%
22%
23%
23%
24%
Mid_Low(13枚)
T52, 972等
25%
19%
22%
27%
32%
High_Conn(10枚)
QJT, JT9等
13%
12%
19%
33%
39%
Low_Mono_Conn(3枚)
765♠等
46%
41%
20%
13%
3%
Low_Conn(5枚)
765r, 654r等
13%
8%
3%
2%
9%
King_Mono(2枚)
KQ2♠等
32%
28%
46%
30%
17%
SB vs BTN の20BB 注目ポイント:
King_High が 68% まで急増。Low_Conn が復活(9%)するなど、20BBでは戦略構造が大きく変化。 これは「スタックが浅いと SB が King 系で積極的にドンクしてポットを争う」という深度依存の戦略変化を意味する。

Top ドンクボード(20BB時点)

SB vs BTN(20BB)— 高ボードが主役
QsJh9d
95%
High Conn
AsQhJd
87%
Ace High
AhQhJh
83%
Ace Mono
KsQh2c
76%
King High
Ts9h8c
72%
High Conn
KhQh2c
72%
King High
KsTh4c
71%
King High
QsJhTd
70%
High Conn
SB vs LJ(20BB)— KQJ系+Low Conn
KhQhJh
65%
King Mono
KsQhJd
60%
King High
4s3h2c
54%
Low Conn
AhJhTd
51%
Ace High
5s4h3c
46%
Low Conn
JhTh9c
42%
High Conn

SB vs LJ カテゴリ別深度変化

カテゴリ 40BB 35BB 30BB 25BB 20BB 傾向
Low_Conn 68% 66% 64% 33% 29% 深い時が主役
Low_Mono_Conn 62% 65% 63% 24% 7% 浅くなると急減
King_High 1% 1% 1% 6% 16% 20BBで急増
High_Conn 1% 1% 3% 7% 17% 浅くなると増加
High_Mono_Conn 2% 1% 1% 4% 14% 浅くなると増加
Queen_High 0% 0% 0% 1% 12% 20BBのみ
Mid_Conn 7% 5% 6% 8% 17% 緩やかに増加

5深度別変化パターン — Low Connected vs 高ボードの逆転

最重要パターン:深度によって主役ボードが逆転する
全スポット共通の法則として「Low Connected ドンクは深い方が高く、高ボード(King High / High Conn)系は浅くなると増加する」という逆転が観察される。

パターン A:Low Connected — 深い方が強い

BB vs LJ — Low_Conn ドンク率の推移
40BB
61%
35BB
61%
30BB
60%
25BB
28%
20BB
29%
なぜ Low Connected は深い方が強いのか?
Low Connected ボードでドンクする理由の多くは「セミブラフ(ストレートドロー保護)」と「ポット制御」。 スタックが深いほど後のストリートでのバーンを見越したセミブラフの価値が高く、ポットを膨らませる意義も大きい。 浅くなるとドロー価値が下がり、オールインまでのステップも減るため、ドンクの戦略的価値が薄れる。

パターン B:King High / High Conn — 浅くなると急増

SB vs BTN — King_High ドンク率の推移
40BB
30%
35BB
26%
30BB
37%
25BB
40%
20BB
68%🔥
なぜ King High / High Conn は浅くなると増加するのか?
スタックが浅いと「チェックして相手の CB に直面する」よりも「ドンクでポットを取りに行く」方が有利になる場面が増える。 King High ボードでは SB がキングをヒットしている場合に「チェックレイズをするほどスタックがない→ドンクで値取り」するパターンが増加。 また 20BB 前後では「オールインまでのアクションを最小化したい」心理もドンク選択を後押しする。

深度パターンまとめ

ボードタイプ 深い(40BB) 浅い(20BB) パターン 代表スポット
Low Connected 高い 低い 深い方が強い BB vs LJ (61→29%), SB vs LJ (68→29%)
Low Mono Connected 高い 消滅 浅くなると消える BB vs BTN (24→1%), SB vs LJ (62→7%)
King High 低め 急増 20BBで爆発 SB vs BTN (30→68%), SB vs LJ (1→16%)
High Conn 低め 増加 浅くなると伸びる SB vs BTN (13→39%), SB vs LJ (1→17%)
High Paired 安定 安定 深度によらず一定 SB vs BTN (25→24%)

6IP 側のカウンター示唆 — ドンクが来たら何を意味するか

前提:ドンクが来た時点で「誰からどのボードで」を即座に判断する
BB からのドンクと SB からのドンクはレンジ意味が全く異なる。同じ「ドンク」でも反応は変わる。

BB ドンクが来た時(IP = BTN or LJ)

  • Low Connected ボード(765r, 654r 等):
    BBのドンクは 強い。ストレート・セミブラフが多数。レイズは危険。通常コール検討。
  • Low Mono Connected ボード(深いスタック):
    フラッシュドロー + ストレートドロー のセミブラフ。コールして後ろのストリートで判断。
  • High Board / King High / Ace High:
    BBが High ボードでドンクすることはほぼない(<5%)。来たら非常に強い(2ペア以上)。 レイズより降りるかコールが標準。
  • Low Mono(浅いスタック 25BB以下):
    BBがドンクすること自体が珍しい。来た場合は本物のメイドハンドが多い。注意。

SB ドンクが来た時(IP = BTN or LJ)

  • vs BTN — ほぼ全ボード(深い):
    ドンク率が20%超なので「来ること自体は普通」。レンジは広い。弱いハンドも多数含む。積極的レイズ検討の価値がある。
  • vs BTN — King High(20BB):
    68% ドンクは SB のレンジ全体が反映。K ヒットからブラフまで広く含む。 IP は KX を持つ時に積極的にレイズ。
  • vs BTN — High Conn(20BB):
    QJT, JT9 等でドンク39%。SB に QJ, JT 等の連結ハンドが多い。値取りとブラフが混在。コールでエクイティキープが基本。
  • vs LJ — Low Connected(深い):
    SB vs LJ は Low Conn で 68% ドンク。BB ドンクと同様の性質。ストレートドロー系が主役。レイズは慎重に。
実戦での最重要判断軸:
1. SB or BB ? → SB なら高頻度ドンクが普通(ブラフ多い)、BB なら超選択的(強めが多い)
2. ボードタイプ? → Low Connected ならドロー系中心、High Board(King/Ace/QJT 等)なら SB のみ発動
3. 深度? → 20BB は King High ドンクが激増。40BB 以上は Low Conn / Mono が主役

7意思決定フロー — BB/SB それぞれの実戦判断

BB のフロップ意思決定フロー

フロップを見る
ボードタイプを即座に分類
分岐1 Low Connected (765r, 654r, 876r 等)?
↓ YES
ドンクを検討(33〜61%)
vs LJ の方が高頻度。スタック深いほど有効。ストレートドロー・2ペアで実行。
↓ NO
分岐2 Low Mono Connected (765♠ 等)?
↓ YES(40-30BBのみ)
ドンク検討(16〜29%)
フラッシュ+ストレードロー保護。25BB以下はほぼチェック。
↓ その他ボード
チェックが基本(ドンク率 <5%)
High Board, Ace High, Paired 等はほぼドンクしない。通常のチェック&コール/レイズへ。

SB のフロップ意思決定フロー(vs BTN)

フロップを見る
SB vs BTN は広くドンク可能。まずカテゴリを確認。
分岐1 スタック深度 ≥30BB?
↓ YES(深い)
Low Conn / Mono が主役(40〜46%)
Deep は Low Connected を積極ドンク。High Conn・King High も20〜30%で検討。
↓ NO(浅い 20-25BB)
分岐2 King High / High Conn ボード?
↓ YES
ドンク率急増!(King High 68%, High Conn 39%)
20BB では King High を積極ドンク。KX ヒット・ブラフ含む広いレンジで実行。
↓ Low Conn系(浅い)
Low Conn ドンクは減少(2〜9%)
浅いと Low Conn ドンクは控える。チェック→相手の行動を見て判断。
実戦チェックリスト(OOP プレイヤー向け)
  1. 自分のポジション(BB か SB か)を確認 → SB は広くドンク可能
  2. ボードを Low Connected / Mono / High の3分類に即分類
  3. スタック深度を確認 → 30BB以上と 20BB以下でドンクの主役ボードが逆転
  4. BB なら「Low Conn 以外はほぼチェック」を原則として覚える
  5. SB vs BTN なら「ほぼ全ボードにドンク候補が存在する」と意識する
  6. 20BB の SB vs BTN では King High・QJT 系のドンクを積極活用