1このアクションの概要 — スタブとは何か
スポット定義:
BTN-LJ SRP(LJ がプリフロップでオープン → BTN がコール)。フロップで LJ が OOP(アウト・オブ・ポジション)側として、チェックを挟まずに最初にベット(スタブ)するアクション。プリフロップアグレッサーが OOP にも関わらず先行ベットする積極的戦略。
「スタブ(Stab)」は OOP コンティニュエーションベットとも呼ばれる。IP 側のチェックバックと対になる概念で、LJ が自分のレンジ・ボードアドバンテージを活かして先行圧力をかけるアクションだ。
コアテーゼ:全ボードでスタブを検討する高頻度アクション(平均 35〜51%)
138 枚全ボードで有意な頻度(≥5%)でスタブが発生。これは SRP Donk(BB: 3%)や 3BP Stab(SB: 32%)とは根本的に異なる。
LJ はタイトなオープンレンジ(≈22〜23%)を持ち、多くのボードでナッツアドバンテージを保持するため、ボードを選ばずスタブを検討できる。
Deep Stack
40 / 35 / 30BB
48.1%
高水準で安定。特に 30BB がピーク(50.7%)。Low_Mono_Conn は 30BB で 95% に達する。全ボードで積極スタブ推奨期。
Transition
25BB
35.4%
全カテゴリが一斉急落(▲16pp)。スタックがオールインに影響し始め、LJ が選択的にスタブを絞る転換点。
Short Stack
20BB
38.7%
一部回復。High_Conn(KQJ 系)が急増し 49%。AhJhTd・AsJhTd が 100% と特定ボードで超高頻度化。
2全体推移 — 25BB で大ドロップ
カバレッジ(≥5% 有意ボード数):
全 5 深度で 138/138 ボードが有意(20BB のみ 138/138 維持)。スタブはボードを選ばない「全域アクション」だが、深度で頻度は大きく変わる。
25BB 急落のメカニズム:
スタック 25BB になると、スタブ後のポットサイズがオールイン圏内に入る。LJ は「スタブ → BTN オールインに対してフォールド」という不利なラインを避け、スタブを選択的に絞る。一方でオールインレンジに価値があるボードではスタブを維持(AhJhTd=100%)。
| 深度 |
avg Stab% |
≥20% ボード数 |
≥10% ボード数 |
≥5% ボード数 |
| 40BB | 46.2% | 135 / 138 | 138 / 138 | 138 / 138 |
| 35BB | 48.5% | 138 / 138 | 138 / 138 | 138 / 138 |
| 30BB ▲ | 50.7% | 99 / 99 | 99 / 99 | 99 / 99 |
| 25BB ▼ | 34.8% | 99 / 99 | 99 / 99 | 99 / 99 |
| 20BB | 38.7% | 134 / 138 | 137 / 138 | 138 / 138 |
3カテゴリ別スタブ率ヒートマップ
読み方:セルの色は 40BB を基準にしたスタブ頻度の相対的な高低を示す。
■ 60%+
■ 45-59%
■ 30-44%
■ <30%
■ 25BB急落
| カテゴリ(n枚) |
40BB |
35BB |
30BB |
25BB |
20BB |
傾向 |
| Low_Mono_Conn (3) |
77% |
90% |
95% |
51% |
50% |
30BB ピーク |
| Low_Conn (5) |
68% |
66% |
63% |
42% |
42% |
高め安定 |
| Low_Mid_Paired (5) |
64% |
62% |
61% |
41% |
41% |
高め安定 |
| Mid_Mono_Conn (1) |
61% |
63% |
64% |
39% |
31% |
20BB 低下 |
| Mid_Low (13) |
53% |
55% |
53% |
37% |
41% |
中程度安定 |
| Mid_Conn (5) |
45% |
47% |
47% |
39% |
51% |
20BB 回復 |
| High_Paired (25) |
49% |
53% |
57% |
31% |
32% |
25BB 大幅落下 |
| Ace_High (9) |
39% |
42% |
43% |
40% |
43% |
最安定 |
| Queen_High (6) |
42% |
44% |
45% |
36% |
42% |
中程度安定 |
| Other_Mono (2) |
50% |
52% |
51% |
23% |
30% |
25BB 急落 |
| King_High (7) |
37% |
40% |
41% |
30% |
29% |
全深度低め |
| King_Mono (2) |
38% |
41% |
44% |
24% |
30% |
25BB 大落下 |
| High_Conn (10) |
27% |
30% |
34% |
35% |
49% |
浅くなると増加 |
| High_Mono_Conn (6) |
31% |
34% |
38% |
26% |
34% |
全体低め |
ヒートマップ総括:
• Low 系(Low_Mono_Conn, Low_Conn, Low_Mid_Paired)は全体的に最高頻度。LJ のレンジが Low ボードに強い。
• High_Conn(KQJ 系)のみが逆パターン(深い時は低く、浅くなると増加)。
• King_Highは全深度で低め — BTN が K 高ボードで強いレンジを持つため LJ が抑制。
• 25BB 急落はほぼ全カテゴリで発生(High_Conn と Ace_High が例外的に安定)。
4代表ボード — 30BB ピーク vs 20BB
▲ Top Boards at 30BB(ピーク時)
7h6h5h
Low_Mono_Conn
~95%
ローモノトーン連続形。フラッシュドロー + ストレートドロー両方で LJ 強烈
8h7h6h
Low_Mono_Conn
~90%
同上。BTN がこのレンジに対して弱い
6h5h4h
Low_Mono_Conn
~88%
ウルトラロー。LJ がセットやドロー多数
AhJhTd
Ace_Conn系
~85%
Ace 高連続形。LJ の AK, AQ が強くヒット
AsJhTd
Ace_High_Conn
~82%
レインボー版でも高頻度。LJ 優位は維持
▼ Top Boards at 20BB(回復・急増)
AhJhTd
Ace_Conn系
100.0%
20BB でも 100%。オールインバリュー十分
AsJhTd
Ace_High_Conn
100.0%
20BB でも 100%。強さが揺るがない
AsKhQd
Ace_High
71.5%
AKQ 系。LJ が AK でトップ2 持ち
JsTh9c
Mid_Conn
68.8%
High_Conn 急増。20BB でオールイン圧力が有効
JhTh9c
Mid_Conn
67.6%
フラッシュドロー込み。さらに強化
KsQhJd
High_Conn
56.7%
KQJ 系。20BB で 27%→49% へ急増パターン
5深度別変化パターン — 3 タイプ
カテゴリの深度別変化は大きく 3 つのパターンに分類できる。各パターンの「なぜそうなるか」を理解することで、実戦での深度対応力が向上する。
Type A — 30BB ピーク型
Low_Mono_Conn
深いほど高く、25BB で急落。Low フラッシュドローボードの典型。
理由:フラッシュドロー等のセミブラフ価値が深い時に最大。25BB 以下ではオールインが絡み複雑化。
Type B — 浅くなると増加型
High_Conn (KQJ 系)
深い時は低く(27%)、20BB で急増(49%)。逆転パターン。
理由:深い時は BTN も KQJ を多く持つ。浅くなると LJ のオールインプッシュが強力になりスタブが増加。
Type C — 深度安定型
Ace_High
最も安定(39-43%)。Ace ボードでの LJ 優位が深度に関わらず維持。
理由:LJ のオープンレンジに Ace 多数を含み、深度に関係なく Ace ボードで優位性を持つ。25BB 急落も最小限。
King_High(Type D — 全深度低め):
37%→40%→41%→30%→29%。BTN が K 高ボードで強いレンジ(KQs, KJo 等)を持ち、LJ のスタブ優位が薄れる。全深度で低め安定。25BB でも特に大きく落ちる(▲11pp)。
6SRP Donk / 3BP Stab との対比
OOP からの先行ベット(Donk / Stab)は全て「場をリードする」行為だが、スポットによって頻度は大きく異なる。
| アクション |
スポット |
平均頻度 |
ボードカバレッジ |
特徴 |
| SRP Donk |
BB vs BTN(BB が Donk) |
3% |
低い(一部ボードのみ) |
非常に稀。特定のボードのみ有効 |
| SRP Donk |
SB vs LJ(SB が Donk) |
7.6% |
低〜中(限定的) |
BB Donk より多いが依然低頻度 |
| 3BP Stab |
SB vs BTN(3BP、SB が Stab) |
32% |
中(多くのボードで有意) |
3BP では中程度。ポジションハンデ+3BP 不利で控えめ |
| SRP Stab ← 今回 |
LJ vs BTN(SRP、LJ が Stab) |
35〜51% |
最高(138/138 ボード有意) |
最も高頻度。プリフロップ AG が全ボードで先行圧力 |
なぜ SRP Stab が最も高頻度?
① プリフロップアグレッサー(LJ)の正統なコンティニュエーションベット — 「スタブ」は IP CB の鏡像として機能
② LJ のタイトなオープンレンジ(≈22〜23%)は多くのボードで BTN より強いナッツアドバンテージを保持
③ Donk は OOP の弱いレンジからの先行ベット(珍しい)、Stab は強いレンジからの先行ベット(普通)
OOP アクション頻度の比較(全体平均)
7意思決定フロー — LJ のスタブ判断
実戦での LJ のスタブ判断フローと、BTN(IP 側)のカウンター示唆をまとめる。
LJ(OOP)フロップでのアクション判断 — BTN-LJ SRP
↓
Step 1: スタック深度を確認
現在のスタックはどのレジームに属するか?
↓
30-40BB(Deep)
デフォルト:スタブ積極的に検討
avg 46-51%、全ボードで有意
20-25BB(Short/Trans)
ボード・カテゴリで選別
25BB は全体 34.8%。慎重に選択
↓
Step 2: ボードカテゴリを判定
ボードが LJ のレンジに対してどのくらい有利か?
↓
高スタブカテゴリ
スタブ推奨
Low_Mono_Conn (77-95%)
Low_Conn (42-68%)
Low_Mid_Paired (41-64%)
低スタブカテゴリ
スタブ頻度を下げる
King_High (29-41%)
High_Conn 深いとき (27-34%)
High_Mono_Conn (26-38%)
↓
Step 3: 20BB 特殊判断
20BB では通常パターンと逆転するカテゴリがある
↓
20BB 急増パターン
High_Conn 系はスタブ増やす
KQJ 系: 27%→49%
JT9 系: 51-68%
20BB 低下パターン
King_High / King_Mono は抑制
29-30% まで低下
チェックバック推奨
BTN(IP 側)のカウンター示唆:
• High_Conn ボード(深い時):LJ のスタブ率が低い(27-34%)→ BTN はチェックを受ける期待が高く、フロップベットを増やす機会
• Low_Mono_Conn(25BB 以下):LJ のスタブ率が 51% まで落ちる → BTN はチェック後に弱いヒットでも慎重にコール
• Ace_High ボード:LJ が 39-43% と安定してスタブ → BTN は A 高ボードでの LJ スタブに対して強いハンドのみコールすべし
LJ としての実戦要約:
① 30-40BB では「全ボードでスタブを検討」がデフォルト(avg 50%超)
② 25BB に入ったら全カテゴリでスタブ頻度を下げる(avg 34.8%)
③ 20BB では High_Conn 系のスタブが急増するが、King_High 系は引き続き抑制
④ Low_Mono_Conn(876♥ 等)は 30BB で最大 95% — このボードでは迷わずスタブ