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SRP LJ Stab — OOP スタブ戦略
— 全ボード高頻度の攻撃的アクション —

MTT General ICM 9m200 / PTpct50 / BTN-LJ SRP(LJ オープン → BTN コール)
ポジション:LJ(OOP)vs BTN(IP)
アクション:LJ がフロップ OOP からスタブ(先行ベット)
データ:138 ボード × 5 スタック深度
対象:even_20 〜 even_40

目次

  1. このアクションの概要 — スタブとは何か、SRP LJ の特徴
  2. 全体推移 — 5 深度の棒グラフと 25BB 急落
  3. カテゴリ別スタブ率ヒートマップ(14 カテゴリ × 5 深度)
  4. 代表ボード — 30BB ピーク vs 20BB 回復
  5. 深度別変化パターン — 3 タイプの分析
  6. SRP Donk / 3BP Stab との対比
  7. 意思決定フロー — LJ のスタブ判断

1このアクションの概要 — スタブとは何か

スポット定義: BTN-LJ SRP(LJ がプリフロップでオープン → BTN がコール)。フロップで LJ が OOP(アウト・オブ・ポジション)側として、チェックを挟まずに最初にベット(スタブ)するアクション。プリフロップアグレッサーが OOP にも関わらず先行ベットする積極的戦略。

「スタブ(Stab)」は OOP コンティニュエーションベットとも呼ばれる。IP 側のチェックバックと対になる概念で、LJ が自分のレンジ・ボードアドバンテージを活かして先行圧力をかけるアクションだ。

コアテーゼ:全ボードでスタブを検討する高頻度アクション(平均 35〜51%)
138 枚全ボードで有意な頻度(≥5%)でスタブが発生。これは SRP Donk(BB: 3%)や 3BP Stab(SB: 32%)とは根本的に異なる。
LJ はタイトなオープンレンジ(≈22〜23%)を持ち、多くのボードでナッツアドバンテージを保持するため、ボードを選ばずスタブを検討できる。
Deep Stack
40 / 35 / 30BB
48.1%
高水準で安定。特に 30BB がピーク(50.7%)。Low_Mono_Conn は 30BB で 95% に達する。全ボードで積極スタブ推奨期。
Transition
25BB
35.4%
全カテゴリが一斉急落(▲16pp)。スタックがオールインに影響し始め、LJ が選択的にスタブを絞る転換点。
Short Stack
20BB
38.7%
一部回復。High_Conn(KQJ 系)が急増し 49%。AhJhTd・AsJhTd が 100% と特定ボードで超高頻度化。

2全体推移 — 25BB で大ドロップ

カバレッジ(≥5% 有意ボード数): 全 5 深度で 138/138 ボードが有意(20BB のみ 138/138 維持)。スタブはボードを選ばない「全域アクション」だが、深度で頻度は大きく変わる。
40BB
avg 46.4%
46.4%
35BB
avg 48.9%
48.9%
30BB
avg 50.7% ▲PEAK
50.7%
25BB
avg 34.8% ▼急落
34.8%
20BB
avg 38.7%
38.7%
25BB 急落のメカニズム: スタック 25BB になると、スタブ後のポットサイズがオールイン圏内に入る。LJ は「スタブ → BTN オールインに対してフォールド」という不利なラインを避け、スタブを選択的に絞る。一方でオールインレンジに価値があるボードではスタブを維持(AhJhTd=100%)。
深度 avg Stab% ≥20% ボード数 ≥10% ボード数 ≥5% ボード数
40BB46.2%135 / 138138 / 138138 / 138
35BB48.5%138 / 138138 / 138138 / 138
30BB ▲50.7%99 / 9999 / 9999 / 99
25BB ▼34.8%99 / 9999 / 9999 / 99
20BB38.7%134 / 138137 / 138138 / 138

3カテゴリ別スタブ率ヒートマップ

読み方:セルの色は 40BB を基準にしたスタブ頻度の相対的な高低を示す。 ■ 60%+ ■ 45-59% ■ 30-44% ■ <30% ■ 25BB急落
カテゴリ(n枚) 40BB 35BB 30BB 25BB 20BB 傾向
Low_Mono_Conn (3) 77% 90% 95% 51% 50% 30BB ピーク
Low_Conn (5) 68% 66% 63% 42% 42% 高め安定
Low_Mid_Paired (5) 64% 62% 61% 41% 41% 高め安定
Mid_Mono_Conn (1) 61% 63% 64% 39% 31% 20BB 低下
Mid_Low (13) 53% 55% 53% 37% 41% 中程度安定
Mid_Conn (5) 45% 47% 47% 39% 51% 20BB 回復
High_Paired (25) 49% 53% 57% 31% 32% 25BB 大幅落下
Ace_High (9) 39% 42% 43% 40% 43% 最安定
Queen_High (6) 42% 44% 45% 36% 42% 中程度安定
Other_Mono (2) 50% 52% 51% 23% 30% 25BB 急落
King_High (7) 37% 40% 41% 30% 29% 全深度低め
King_Mono (2) 38% 41% 44% 24% 30% 25BB 大落下
High_Conn (10) 27% 30% 34% 35% 49% 浅くなると増加
High_Mono_Conn (6) 31% 34% 38% 26% 34% 全体低め
ヒートマップ総括:
Low 系(Low_Mono_Conn, Low_Conn, Low_Mid_Paired)は全体的に最高頻度。LJ のレンジが Low ボードに強い。
High_Conn(KQJ 系)のみが逆パターン(深い時は低く、浅くなると増加)。
King_Highは全深度で低め — BTN が K 高ボードで強いレンジを持つため LJ が抑制。
25BB 急落はほぼ全カテゴリで発生(High_Conn と Ace_High が例外的に安定)。

4代表ボード — 30BB ピーク vs 20BB

▲ Top Boards at 30BB(ピーク時)

7h6h5h
Low_Mono_Conn
~95%
ローモノトーン連続形。フラッシュドロー + ストレートドロー両方で LJ 強烈
8h7h6h
Low_Mono_Conn
~90%
同上。BTN がこのレンジに対して弱い
6h5h4h
Low_Mono_Conn
~88%
ウルトラロー。LJ がセットやドロー多数
AhJhTd
Ace_Conn系
~85%
Ace 高連続形。LJ の AK, AQ が強くヒット
AsJhTd
Ace_High_Conn
~82%
レインボー版でも高頻度。LJ 優位は維持

▼ Top Boards at 20BB(回復・急増)

AhJhTd
Ace_Conn系
100.0%
20BB でも 100%。オールインバリュー十分
AsJhTd
Ace_High_Conn
100.0%
20BB でも 100%。強さが揺るがない
AsKhQd
Ace_High
71.5%
AKQ 系。LJ が AK でトップ2 持ち
JsTh9c
Mid_Conn
68.8%
High_Conn 急増。20BB でオールイン圧力が有効
JhTh9c
Mid_Conn
67.6%
フラッシュドロー込み。さらに強化
KsQhJd
High_Conn
56.7%
KQJ 系。20BB で 27%→49% へ急増パターン

5深度別変化パターン — 3 タイプ

カテゴリの深度別変化は大きく 3 つのパターンに分類できる。各パターンの「なぜそうなるか」を理解することで、実戦での深度対応力が向上する。

Type A — 30BB ピーク型
Low_Mono_Conn
深いほど高く、25BB で急落。Low フラッシュドローボードの典型。
40BB
77%
35BB
90%
30BB
95%▲
25BB
51%▼
20BB
50%
理由:フラッシュドロー等のセミブラフ価値が深い時に最大。25BB 以下ではオールインが絡み複雑化。
Type B — 浅くなると増加型
High_Conn (KQJ 系)
深い時は低く(27%)、20BB で急増(49%)。逆転パターン。
40BB
27%
35BB
30%
30BB
34%
25BB
35%
20BB
49%▲
理由:深い時は BTN も KQJ を多く持つ。浅くなると LJ のオールインプッシュが強力になりスタブが増加。
Type C — 深度安定型
Ace_High
最も安定(39-43%)。Ace ボードでの LJ 優位が深度に関わらず維持。
40BB
39%
35BB
42%
30BB
43%
25BB
40%
20BB
43%
理由:LJ のオープンレンジに Ace 多数を含み、深度に関係なく Ace ボードで優位性を持つ。25BB 急落も最小限。
King_High(Type D — 全深度低め): 37%→40%→41%→30%→29%。BTN が K 高ボードで強いレンジ(KQs, KJo 等)を持ち、LJ のスタブ優位が薄れる。全深度で低め安定。25BB でも特に大きく落ちる(▲11pp)。

6SRP Donk / 3BP Stab との対比

OOP からの先行ベット(Donk / Stab)は全て「場をリードする」行為だが、スポットによって頻度は大きく異なる。

アクション スポット 平均頻度 ボードカバレッジ 特徴
SRP Donk BB vs BTN(BB が Donk) 3% 低い(一部ボードのみ) 非常に稀。特定のボードのみ有効
SRP Donk SB vs LJ(SB が Donk) 7.6% 低〜中(限定的) BB Donk より多いが依然低頻度
3BP Stab SB vs BTN(3BP、SB が Stab) 32% 中(多くのボードで有意) 3BP では中程度。ポジションハンデ+3BP 不利で控えめ
SRP Stab ← 今回 LJ vs BTN(SRP、LJ が Stab) 35〜51% 最高(138/138 ボード有意) 最も高頻度。プリフロップ AG が全ボードで先行圧力
なぜ SRP Stab が最も高頻度?
プリフロップアグレッサー(LJ)の正統なコンティニュエーションベット — 「スタブ」は IP CB の鏡像として機能
② LJ のタイトなオープンレンジ(≈22〜23%)は多くのボードで BTN より強いナッツアドバンテージを保持
③ Donk は OOP の弱いレンジからの先行ベット(珍しい)、Stab は強いレンジからの先行ベット(普通)

OOP アクション頻度の比較(全体平均)

BB Donk
3%
3%
SB Donk
7.6%
7.6%
3BP Stab
32%
32%
SRP Stab
avg 43%(35〜51%)
43%+

7意思決定フロー — LJ のスタブ判断

実戦での LJ のスタブ判断フローと、BTN(IP 側)のカウンター示唆をまとめる。

LJ(OOP)フロップでのアクション判断 — BTN-LJ SRP
Step 1: スタック深度を確認
現在のスタックはどのレジームに属するか?
30-40BB(Deep)
デフォルト:スタブ積極的に検討
avg 46-51%、全ボードで有意
20-25BB(Short/Trans)
ボード・カテゴリで選別
25BB は全体 34.8%。慎重に選択
Step 2: ボードカテゴリを判定
ボードが LJ のレンジに対してどのくらい有利か?
高スタブカテゴリ
スタブ推奨
Low_Mono_Conn (77-95%)
Low_Conn (42-68%)
Low_Mid_Paired (41-64%)
低スタブカテゴリ
スタブ頻度を下げる
King_High (29-41%)
High_Conn 深いとき (27-34%)
High_Mono_Conn (26-38%)
Step 3: 20BB 特殊判断
20BB では通常パターンと逆転するカテゴリがある
20BB 急増パターン
High_Conn 系はスタブ増やす
KQJ 系: 27%→49%
JT9 系: 51-68%
20BB 低下パターン
King_High / King_Mono は抑制
29-30% まで低下
チェックバック推奨
BTN(IP 側)のカウンター示唆:
High_Conn ボード(深い時):LJ のスタブ率が低い(27-34%)→ BTN はチェックを受ける期待が高く、フロップベットを増やす機会
Low_Mono_Conn(25BB 以下):LJ のスタブ率が 51% まで落ちる → BTN はチェック後に弱いヒットでも慎重にコール
Ace_High ボード:LJ が 39-43% と安定してスタブ → BTN は A 高ボードでの LJ スタブに対して強いハンドのみコールすべし
LJ としての実戦要約:
① 30-40BB では「全ボードでスタブを検討」がデフォルト(avg 50%超)
② 25BB に入ったら全カテゴリでスタブ頻度を下げる(avg 34.8%)
③ 20BB では High_Conn 系のスタブが急増するが、King_High 系は引き続き抑制
④ Low_Mono_Conn(876♥ 等)は 30BB で最大 95% — このボードでは迷わずスタブ